現代人にストレスは避けることができませんが、私たちは心身にストレスや負担を受けると、まず、自律神経や内分泌(ホルモン)系が反応し、体内にさまざまな症状が出てくるようになります。
少し専門的になりますが、副腎髄質からアドレナリンが分泌されて血管が収縮し、血圧が上昇します。
副腎皮質からはコーチゾール( ステロイドホルモン)が分泌されて、血液中のリンパ球(白血球の一種) を溶かして、免疫力を低下させてしまいます。
その上、血液中には、糖、コレステロール、中性脂肪、尿酸、フィプリン、赤血球などが増加し、血液自体がドロドロ、べ夕べタとしてきます。
つまり血液が汚れてくるのです。最近、ストレス性の脳梗塞や心筋梗塞がよく問題になっているし、ストレス性の肝炎や、すい炎の存在も明らかになっています。
以前は、ストレスによる病気は胃・十二指腸潰瘍、高血圧、バセドゥ病、ぜん息などが有名ですが、ストレスにより血液が汚れると、こうした病気以外にも種々雑多の疾病が発生します。
→ストレスによる病気
→ストレスによる病気
ストレスは多分に精神的なものの比率が高いのです。なかなか扱いづらいところではあるが、このストレスを解消する方法として2人の東西の大医学者の話にこういったものがあります。
ストレスの概念を打ち立て、ノーベル医学賞を受賞したカナダのセリエ博士は、「ストレスをなくすのに一番大切なことは、西洋人には稀薄だが東洋人独特の『感謝の気持ち』を持つこと」と提唱されています。
東大医学部出身の名医、塩谷信男先生は、100歳を記念して書かれた「100歳だからこそ、伝えたいこと」という本の中で、「いつも明るく、前向きに、グチをこぼさず、感謝の気持ちを持って」毎日を生活すると、ストレスはなくなり「必ず思いは成就する」というように述べておられます。
大先生がおふたりともストレスの解消法として「感謝の気持ち」をあげていることは、実に意義深いところです。「苦あれば楽あり」。一見、悪いこと、困難なことも「良いことの始まり」であることが多いのです。悲しいこと、腹立たしいことを感謝するくらいの気持ちがあれば、世の中、なにもストレスなど起こらないのは当然ですが、